
一燈園(いっとうえん)は明治38年(1905)、西田天香(1872-1968)によって創始されました。『自然にかなった生活をすれば、人は何物をも所有しなくとも、また働きを金に換えなくとも、許されて生かされる』という信条のもとに、つねに懺悔の心をもち、無所有奉仕の生活を行なっているところです。
一燈園では、『おひかり(現実の生活をも救う神または仏、大自然を指します)』から預かった物(財物)を、世の中の「争いの種」にならぬように運用・経営する機構を「宣光社」と呼んでいます。光泉林もその宣光社の一つの機能であり、また本部的な役割も持っています。光泉林は昭和3年(1928)現在地(京都市山科区)に開林され、翌4年(1929)8月、財団法人として認可されました。
現在約10万坪(33ヘクタール)の土地に、70棟ほどの建物があり、同人・光友の約200名の人々が天香の遺した精神と生活をもとに、一大家族となってともに生活し、ともに働いています。
個人個人の思いや、願いは様々で深浅の差を持ちながらも、老若全てが懺悔奉仕の心、捧げる心を抱き、それぞれの能力に応じて働き、必要に応じて恵まれる、そのような自然にかなう生活の成就を願っています。
『一燈園』は無所有生活の体験、実験の場。『宣光社(せんこうしゃ)』としての「光泉林」は、物の預かり方を試みるものと言えます。
光 明 祈 願
こうみょうきがん (暫定)
THE ITTOEN PRAYETRS (Tentative)
一、不二の光明によりて新生し許されて活きん
May we be born anew and have our being by the providence of the Light of Oneness.
一、諸宗の真髓を礼拝し 帰一の大願に参ぜん
Teach us to respect the essence of all religions,and lead us to learn the ultimate truth.
一、懺悔のために奉仕し報恩のために行乞せん
May we render our services out of penitence,and perform our tasks out of gratitude.
一、法 爾 の 清 規 にし たがい 世 諦を 成ぜん
Help us to perfect the way of our living by complete submissin to the laws of nature.
一、即ち天華香洞に帰り無相の楽園に逍遥せん
In a word:Grand that we may return to the "perfumed cave of heavenly flowers"and tread in the formless paradise.
【一燈園(光泉林)の生活】 光泉林では、それぞれの家族を持ちながら、一体となって共同生活を営んでいる人々を「同人」と呼んでいます。同人達は様々な部門に分かれ、老若男女すべての者がそれぞれの分に応じて働いています。そしてその働き(托鉢)の報酬はすべて「おひかり」に捧げられ、個人や家庭の財産にはなりません。すべてが預かり物であり、私というものはなく、必要な物は必要に応じて「おひかり」から与えられるのです。
一燈園生活を実践するこの「光泉林」村では、「光明祈願」(上記)を根本規範とし、ほかには何の規則もありません。
また、同人の他に「光友」の立場でもある事業部の職員や塾生など、多くの人々が共に働いています。
【朝課・晩課(おつとめ)】 一燈園は宗教(特定団体、宗教法人)ではありません。そのため特定の本尊はなく、諸宗の真髄を拝むため、本堂としての「礼堂」にも、正面祭壇の中央には円窓があるのみで、その円窓を通して大自然を拝するようになっています。
"朝課"は礼拝と「維摩経偈」「一事実」など、"晩課"は「般若心経」と「維摩経偈」などの誦経が中心です。
「維摩経」は一燈園の先達とも言える存俗の覚者、維摩居士のお経。「般若心経」は佛教の真髄を要約した短いお経です。「一事実」は天香の新生涯における自内証の記録「天華香洞録」の一節で、これは端的に一燈園生活を表しています。
【仕 事(托鉢・作務)】 一燈園で生活している者はすべて、農場、教育機関、各事業部門(建築、出版、印刷、劇団、農事研究所その他)で働いています。学生は勉学が托鉢です。一燈園では生活のすべてが奉仕としての「托鉢」ですが、仕事(労働)を特に「作務さむ」と呼んでいます。外部からの依頼でお仕事を頂く場合もありますが、結果としての報酬はすべてお光(ひかり)に捧げられます。
【食 事】 食事は生活と修道の基本と考えています。板の間の食堂(じきどう)で、机に向かい合う形で正坐し、合掌して「般若心経」と「感謝のことば」を唱え、食事を静かにいただきます。また、食後には「己が身はかえりみずして人のためつくすぞ人のつとめなりける」(明治天皇御歌)を唱和します。
【教 育】 一燈園に住む子弟は3歳になると、地域の子どもたちと一緒に"いずみ幼稚園"に入園し、学令に達すると、"一燈園小学校(昭和8年開設認可)"から、"一燈園中・高等学校"へと進学し勉強します。小、中学校は一般の学校と同様ですが高等学校、大学林では、働く事を学びつつ勉学する体制をとっており、高校は午前中、大学は昼間に光泉林の各事業部で托鉢(仕事)を行い、それ以外の時間、夜間まで勉学に精励します。孔子の言葉「行余学文」を校是とし、「行じて余暇あれば文を学ぶ」という考えの下に勉学と実践の両道を重んじ、日常生活の中に「祈り」と「汗」と「学習」の時間をカリキュラムとしてとりいれています。
『学校法人燈影学園』=幼稚園、小、中、高等学校のそれぞれに案内書を御用意しております。
【お問合・資料請求先】
いずみ幼稚園 電話075-581-8514
一燈園小・中・高等学校 電話075-595-3711
【主な行事・活動】
一燈園生活の窮極の願いは「世界の真の平和」ですが、真の平和はまず自分の心を正し、身を正し、生活を整えていくことからと、日本国際連合協会や、ユネスコ運動、国際宗教同志会や、世界宗教者平和会議(WCRP)の結成時より参加協力しています。さらに国際自由宗教連盟(IARF)にも参加し、一宗一派をこえ下坐の立場にたって世界平和の祈りに参与しています。
【六万行願】 ろくまんぎょうがん 大正8年(1919)第一次大戦後、国際連盟が結成された時、西田天香は、『世界の真の平和は、一人ひとりの心の中に、争いの種をなくすることから始めなければならない』と、この六万行願を発願しました。
六万行願とは、他の家のお便所掃除をさせていただくことを通じて下座の心を養い、「争いのない世界」の将来を祈り念ずることで、その中に礼拝(おがむ)、懺悔(あやまる)、下坐(へりくだる)、奉仕(ささげる)、慰撫(なぐさめる)、行乞(許されて生きる)の六つの祈りが込められています。一万戸を単位としたことから、「六万行願」(ろくまんぎょうがん)と名づけられました。
その後、京都・滋賀など府県全域に渡る行願や、毎年正月の数日間行われる「年頭行願」、11月の「霜月行願」、毎月の研修会行願など、全国各地で続けられています。行願を通じて、平和の輪を広げていく活動を「平和を創造する生活」運動として、L.P.C.運動(Life of Peace Creative movement)と呼んでいます。
【春の集い・秋の集い】 『春の集い』は天香さんの生誕祝会です。2月10日が実際の誕生日ですが、寒中なので陽春4月の第3日曜日を開催日とし、全国から因縁の方々が一同に集まり、日本の国を「和」をもって方向づけた聖徳太子を奉讃する太子祭をはじめ、模擬店や法楽などを催してお祝いします。
『秋の集い』は、財団法人光泉林の開設を記念した集りです。大正時代の「一燈園」は、京都市左京区の鹿ヶ谷にありましたが、昭和4年(1929)10月17日、現在地(京都市山科区)にて文部省より財団法人「光泉林」として認可を受けました。「秋の集い」は、10月第3土曜日を開催日とし、講演やシンポジウムなど、主に道の研鑽を旨とした内容です。
【夏の集まり・総路頭】 8月(上旬)に全国から同人、光友と呼ばれる因縁の人々が一燈園に集り、研鑽交歓し、その機会に、先人たちの霊を祀ってお盆の供養も行うのが『夏の集まり』です。
そして「夏の集まり」の最終日に、同人は全員『総路頭』に立ちます。一燈園生活は本来無一物路頭の生活で、光泉林における"仕事のすべての財物"は、全てお光から仮にお預かりしているもの。それを確認するため「夏の集り」を機会に集ってきて下さった光友の皆さんに"仕事と財物の一切"を預かって頂き、同人全員が純粋に無一物となって、路頭にたちます。
路頭は、無一物で街頭に立ち、求められるままに何なりと仕事をさせていただく「捨」の一行で「許されて生かされる」ことの体験といえます。
【資料館『香倉院』と『一燈園生活研究所』】 資料館『香倉院』では天香の生涯と、一燈園生活に関する資料、或いは天香と因縁のあった人々の作品・関係資料などを蒐集・保管、展示公開(常設)をしています。また一燈園に因縁のある作家・芸術家の作品を中心に特別展示も開催しています。
『一燈園生活研究所』はそれらの資料をもとに、一燈園生活をより広く、より多くの方々に理解頂く事、更には、道を求める人々の研究・実践の資として資料を利用、活用していただく場となることを願って開設しました。
【智徳研修会】 一燈園生活の短期研修として、昭和16年(1941)から、真の人間としての「智」と「徳」を研鑽することを願って始まりました。毎回2泊3日で行われ、研修の中心となる行事は「六万行願」と「路頭」。そして朝夕の静坐、勤行と作務、講話などです。個人としての研修体験は勿論のこと、企業・団体の研修や、新入社員教育にも巾広く活用されています。
(お問い合わせは本部事務所へ)
【光友と光友会】 同人のように生活までは一つにしていないが、一燈園生活に共鳴して下さる方々を光友と呼び、全国にまたがって光友会が結成され、行願、托鉢会、講演会、勉強会、など地道な活動を続けています。
【一燈園道場と塾生】 「一燈園生活」は、もともと一人ひとりの人間の生き方を尋ね、修練するものですが、前出の「智徳研修会」より更に長期にわたって「一燈園生活」を実修体験することを希望する方々のために、年齢を問わず、希望に応じて一定期間を一燈園(光泉林)で生活を共にし、仕事(作務)を共にする中で自己修練ができる『塾生』という制度があります。
男女共に『塾生』という名称でお預かりし、修練していただきます。
(お問い合わせは本部事務所へ)
◆お問い合わせ先◆
一燈園・本部(財団法人 懺悔奉仕 光泉林)
京都市山科区四ノ宮柳山町8
tel 075-581-3136 fax 075-581-3139
最寄駅:JR東海道線 山科駅(徒歩15分)・京阪電鉄浜大津線 四ノ宮駅(徒歩5分)